いよいよハワイに電車が走る!ホノルルレールトランジット開通秒読み!
これまでハワイ(オアフ島)の公共交通機関といえば、バス(TheBus)やタクシー、観光客向けにはトロリーやシャトルバスなどが中心でした。
そんなオアフ島で、2020年下半期にいよいよ本格的な鉄道が運行開始となる見込み予定です。
そこで今回はローカルも観光客も大いに期待を寄せているハワイ初の鉄道 ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)についてご案内してまいります。
実はホノルルは渋滞のメッカ
年々観光客が増え続けているという観光都市ホノルルの悩みの種、それはホノルル空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)からワイキキ方面へ通じているH1ハイウェイをはじめとする主要道路の慢性的な交通渋滞。
この渋滞、全米でもワースト1位、2位を争うひどさで、わずか10kmの距離を進むのに1時間以上かかることもザラなんだとか。
引用:http://www.odometer.com/
そういえば私たちが以前訪れたときも、H1ハイウェイのワイキキ側から空港に向かうルートが、大きな事故の影響で大渋滞になっていました。
そのせいで市内から空港にタクシーがまったく周ってこなくて、空港のタクシー乗り場では観光客が長蛇の列を作っていました。
そしてそんな渋滞対策として市が巨額の予算を投じ、ホノルル高速交通公社(HART:The Honolulu Authority for Rapid Transportation)が建設しているのが、ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)なのです。
ハワイ初の本格的な鉄道というだけでなく、米国初の自動無人運転を目指していることでも大いに注目されています。
ホノルル・レール・トランジットの路線図
ホノルル・レール・トランジットの路線は、オアフ島西部のカポレイからスタートし、ワイケレ・プレミアム・アウトレットがあるワイパフ、パールシティ、ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)、カカアコなどを経由し、終点アラモアナセンターまでの全長32kmとなっています。
この間に21駅の設置が計画されていますが、2020年下半期に開業予定なのは「イースト・カポレイ駅」から「アロハ・スタジアム駅」までの区間です。
「アロハ・スタジアム駅から」終点の「アラモアナセンター駅」までの区間は、2025年までに順次開業が予定されています。

設置される駅と開業予定
この路線には始点の「イースト・カポレイ駅」から終点の「アラモアナセンター」までの全長32kmに、次の21駅が設置されることになっています。
2020年下半期開業予定の駅 | ||
---|---|---|
1 | イースト・カポレイ駅 | East Kapolei |
2 | ハワイ大学ウェスト・オアフ駅 | University of Hawaii West Oahu |
3 | ホオピリ駅 | Hoopili |
4 | ウェスト・ロック駅 | West Loch |
5 | ワイパフ・トランジット・センター駅 | Waipahu Transit Center |
6 | リーワード・コミュニティ・カレッジ駅 | Leeward Community College |
7 | パール・ハイランド駅 | Pearl Highlands |
8 | パールリッジ・センター駅 | Pearlridge Center |
9 | アロハ・スタジアム駅 | Aloha Stadium |
2025年までに順次開業予定の駅 | ||
10 | 真珠湾海軍基地駅 | Pearl Harbor Naval Base |
11 | ホノルル国際空港駅 | Honolulu International Airport |
12 | ラグーン・ドライブ駅 | Lagoon Drive |
13 | ミドルストリート・トランジット・センター駅 | Middle Street Transit Center |
14 | カリヒ駅 | Kalihi |
15 | カパラマ駅 | Kapalama |
16 | イウィレイ駅 | Iwilei |
17 | チャイナタウン駅 | Chinatown |
18 | ダウンタウン駅 | Downtown |
19 | シビック・センター駅 | Civic Center |
20 | カカアコ駅 | Kakaako |
21 | アラモアナセンター駅 | Ala Moana Center |
この表を見てわかることは2020年に開業される部分の路線は、オアフ島の中でも観光客にはあまり馴染みのない地域となっているということです。
実際に私たち観光客が
「ダニエル・K・イノウエ国際空港から電車でアラモアナセンターまで行く」
「アラモアナセンターから電車でパールリッジセンター(ハワイで2番目に大きなショッピングセンター)へ行く」
といった形で観光の足として本格的に活用できるのは、2025年以降になりそうです。
あえて2025年“以降”としたのには理由があり、実はハワイでは建設工事が計画より遅れることがたびたびあるからです。
実はこの鉄道建設計画も、当初は2020年初めにアラモアナセンター駅まで全線開業する計画だったのですが、それがすでに5年も完成予定が延びています。
さらには予算も当初の52億ドルから92億ドルにまで超過する見込みだということです。
全路線で地上を走行せず、すべて「高架」になっていることも予算オーバーの一因かもしれませんね。
いずれにしても計画どおりに無事に完成してくれることを願うばかりです。
空港からアラモアナセンターまでの所要時間は?
現在、タクシーやレンタカーなど車でダニエル・K・イノウエ国際空港からアラモアナセンターまで移動すると30分以上かかることもザラです。
これに対し、ホノルルレールトランジットの公式サイトにあった所要時間計算ツールで確認したところ、電車ならなんとわずか16分で移動できるようです。

もちろん電車は渋滞がありませんので、かなりスムーズに移動できそうです。
ただ、ホノルルレールトランジットにはスーツケースやサーフボードなど大きな荷物の持ち込みが許可されていますが、ザ・バスは膝の上に載せられない荷物は持ち込みNGです。
となると、空港からアラモアナセンターまでは電車で行かれるものの、そこからホテルがあるワイキキまではどう移動すればいいの?
という疑問が残ります。
ですが、きっと全線開通までには何らかの手段が講じられるのでは?と考えています。
ホノルルレールトランジットの料金は?
100億ドル(1兆円以上!)近い巨額の予算を投じて建設されるホノルルレールトランジットですので、運賃もかなり高額になるのでは?と心配になりますよね。
もともと日本よりも総じて物価が高いハワイですので、ダニエル・K・イノウエ国際空港からアラモアナセンターまで20ドルくらいかかっても不思議はありません。
でもご安心ください。
まだ正式な運賃が決まっているわけではないのですが、実はHARTの公式サイトに次のような情報があります。
運賃システムはザ・バス(TheBus)と単一システムになる見込みです。
乗換客はひとつのパスで電車とザ・バス両方に乗れるようになります。
またシニア、学生、その他の割引が適用されます。
ザ・バスと同じ料金体系でしかも、ひとつのパスでザ・バスにも電車にも乗れるというのは、本当ならとても嬉しいことです。
2020年現在、ザ・バスのワンデイパス(一日乗車券)は大人5.5ドルです。
2025年までには多少の値上げがあるかもしれませんが、いずれにしても良心的な運賃設定になりそうでひと安心です

またホノルル市ではハワイ初の交通系ICカード「HOLOカード(ホロカード)」の導入を本格的に開始しました。
こちらはザ・バスに設置したカードリーダーの写真ですが、ホノルルレールトランジットにも導入が予定予定されていますので、現金を持たずに乗れるようになりそうですね。
また、ザ・バスとの乗り換えがスムーズにできるようにする計画もあるようなので、ザ・バスと電車をうまく利用すれば、これまで観光客が行きづらかった場所へのアクセスもしやすくなるのは間違いなさそうですね!
4両編成の車両は日立製
ホノルル・レール・トランジットに採用されたのは、日本の日立製作所製の車両です。
車両はすべて米国(カリフォルニア州)にある日立USA社の工場で組み立てられて、ハワイ州に輸送されるそうです。
車両内にはサーフボードが積める棚や、自転車を載せられる専用スペースもあり、ローカルと観光客どちらにも使いやすい設計になっています。
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青空に映えるホワイト&グリーンの車両の側面にはハワイ州のシンボルでもある「虹」が描かれており、ハワイらしさがあふれるとってもすてきなデザインとなっています。
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日立製作所といえば「この〜木、なんの木、気になる木~♪」で有名な「日立の樹」のあるモアナルア・ガーデンパークの維持に多大な貢献している企業です。
そんな日立さんが今度は鉄道という形でハワイに貢献してくれることを、ひとりの日本人としても誇りに思います。
建設中の様子が動画に
いよいよ大詰め(?)のホノルルレールトランジットの建設の様子が動画(スライドショー)になっていました。
これを見ると
「あぁ、本当にもうすぐなんだなぁ!」
と感じてワクワクしてきます。
そして、2019年秋にハイウェイを通ったときに、私たちも実際にホノルルレールトランジットの高架を見かけて嬉しくなりました。

しつこいようですが、これ以上計画がずれ込まずに無事に2020年下半期の開業、2025年の全線開通を目指してほしいものです!
※英語のホームページですが言語を「日本語」に翻訳して見られます。