ハワイの治安、実際のところはどうなのか?
ハワイと言えば、青い空と青い海が広がる常夏の楽園ですよね。
日本人が選ぶ海外旅行先として、ハワイは常にトップクラスの人気を誇っています。
そんなハワイですが
「ハワイは治安がとても良いらしい。」
「いやいや、最近のハワイはあまり治安が良くないと聞いた。」
など、ハワイの治安についての意見が分かれていることがあるようです。
実際のところ、最近のハワイの治安はどうなのでしょうか?
そこで今回は、これからハワイに行くなら知っておきたいハワイの治安の実情、
そして自分たちが犯罪に巻き込まれないようにするにはどうすればいいのか?など、ハワイ旅行中の安全対策についてご案内してまいります。
ハワイは米国の中ではそこそこ治安が良い州
ハワイは米国の50番目の州ですが、その中では比較的治安の良い州と言われています。
たとえば米国の時事解説誌「USニューズ&ワールド・レポート」の調査によると、全米の公衆安全ランキングでは全米50州中25位※1となっており、ちょうど真ん中あたりに位置しています。
※1 出典:U.S.News Public Safety Rankings
このデータを見る限り「ハワイは治安が良い」とは言えないように思えますが、ハワイは観光地という土地柄、スリや置き引きなどの窃盗事件の件数は多いものの、殺人事件などの凶悪犯罪は少なくなっています。
このため凶悪犯罪のみのランキングでは良い方から13番目となっています。
つまり、犯罪発生率だけみると「そこそこ」の治安の良さであるものの、凶悪犯罪は少なめの州であると言えそうです。
日本と比べるとどうなのか?
さて米国内で比較した場合のハワイの治安はわかったものの、「日本」と比較した場合はどうなのでしょうか?
在ホノルル日本国総領事館のホームページには次のような記載があります。
(前略)2017年の統計資料で日本全体とハワイ州全体を比較した場合、人口数と犯罪発生総数から割り出した犯罪発生率は、依然としてハワイ州は日本の概ね4倍の数値となります。
そうなんです。
犯罪発生率は日本の4倍ということで、日本と比べるとあまり治安は良くないと言えます。
ここまでの内容をまとめると次の通りとなります。
ハワイの公衆安全ランキングは全米の中では25位とほぼ中間に位置しているが、凶悪犯罪の発生率ランキングでは13位と比較的上位に位置している。
ただし日本と比較した場合、ハワイの犯罪発生率は4倍となっているためハワイを訪れる際には自分の身を守る注意や工夫が必要となる。
ハワイでの日本人の犯罪被害例
そんなハワイでは、やはり実際に日本人が事件に巻き込まれてしまうこともあるようです。
以下はハワイで発生した日本人の犯罪被害実例の一部です。
・早朝にホテルの近くで空港行きのバスを待っていたところ,けん銃の様なものを突きつけられ,金品等を強奪された。
・空港,ホテルのロビーやプールサイド,ビーチ,ゴルフ場等で置き引きされた。
・繁華街の路上やバーで片言の日本語で話しかけられ,意気投合したと思っているうちに財布等をすり盗られ,在中のクレジットカード等を使用された。
・ビーチの近く等で,ひったくりに遭い,取り返そうとしたところ,突き飛ばされて転倒して負傷した。また,深夜ワイキキの路上で強盗被害に遭った。
これらの被害内容に共通しているのが「金品を盗まれる」という点です。
言い換えれば、犯罪者にとってはそれだけ日本人がお金持ちそうに見えたり、スキがあるように見えるのかもしれませんね。
また「けん銃」というコトバが出てきていますよね。
意外と忘れがちですが、ハワイも米国ですのでけん銃の所持が登録制で許可されており、実際にけん銃を使った傷害事件も発生しています。
残念ですがこれがハワイのもうひとつの側面なのです。
詐欺師も観光客を狙っている
観光客の多いハワイでは、詐欺事件も頻発しています。
- オウムおじさん
親切そうに見えるおじさんが、肩にきれいな色のオウムをのせてきて勝手に写真を撮り、チップと称して金銭を要求してくる(上の写真)。 - 募金詐欺
チャリティーだから、学生だからと言ってレイ(花の首飾り)を押し付けて金銭を要求してくる。
このほかにも、こちらが頼んでもいないのに何かを渡してくる人、ジャパニーズ?ニホンジン?などと言ってにこやかに話しかけてくる人は怪しいと思った方が無難です。
怪しい人だと思ったら、目を合わせないようにして静かにスルーするのが鉄則です。
仮にすでに立ち止まってしまった場合は、勇気を出して「ノー」と言い、静かに立ち去るようにしましょう。
犯罪が多い場所と時間帯は?
それではこういった犯罪が、いったいハワイの「どこ」で「どの時間帯」に多く発生しているのでしょうか?
犯罪多発エリアは意外な場所だった
実はハワイ(オアフ島)で犯罪がもっとも多発しているエリア、それはなんとワイキキ周辺なんです。
犯罪発生マップのCRIME MAPPING™を見れば一目瞭然です。
ワイキキには世界中から一年中多くの観光客がやってきますので、それを狙ったスリや置き引きなどの犯人たちも集まってくる、というわけです。
そのため件数だけで見ると「非常に多いエリア」となってしまっているのですが、決して凶悪犯罪が多発しているわけではないのであまり心配しすぎることはありません。
危険な時間帯は夜間から早朝
これはハワイに限ったことではありませんが、やはり日没後の暗くなってくる時間から夜間、そして早朝も危険度がアップします。
特にワイキキ周辺の主要なお店がクローズした後は、人通りがグンと少なくなりますので注意が必要です。
また早朝も同じく人通りがまばらとなっているので、朝の散歩やジョギングをする場合も、コースをホテル敷地内に限るなど工夫することをおすすめします。
ワイキキ周辺の夜間・早朝に危険なエリアは?
ワイキキ周辺は昼間は多くの観光客でにぎわっていますが、夜間や早朝には危険度がアップするエリアがあります。
アラワイ運河沿い
アラワイ運河はワイキキのメインストリートであるカラカウアアベニューから少し山側に行ったところを流れる人口の運河です。
上の写真のように昼間はのどかな散歩道となっていますが、早朝や日没後(夜間)は人通りがほとんどなくなるため危険です。
実際に2019年11月には日本人観光客がひったくりに遭い、荷物を取り戻そうとしてけん銃で殴られてケガを負ったという事件が発生しています。
クヒオ通り周辺
クヒオ通り(クヒオアベニュー)はワイキキのメインのバス通りですので、昼間はバスに乗る人やショッピングを楽しむ人でにぎわっていますが、やはり早朝や日没後(夜間)は人通りが激減します。
またクヒオ通りから延びる路地なども同様に日没後は危険とされているエリアです。
その他カラカウアアベニューからクヒオ通りに抜ける路地(脇道)なども同様です。
オアフ島の要注意エリアは?
ワイキキは世界有数の観光地ということもあり、巡回のパトカーや警官の数も多く配置されて治安維持に尽力されています。
これがひとたび郊外に行くと、そこは観光客の少ないローカルの方たちのエリアとなり、ワイキキとはガラッと変わった殺伐とした雰囲気が漂っていることも少なくありません。
私は観光客の少ないローカルタウンは、全般的にワイキキよりも注意が必要だと思っていますが、中でも特に気を付けた方がいい、とされているエリアをいくつかご紹介します。
カカアコ
カカアコはもともとは自動車整備工場や倉庫などが立ち並ぶエリアでしたが、近年ウォールアートが有名になったことでオシャレな街として生まれ変わり、多くの観光客が訪れています。
私たちもよく立ち寄りますが、やはりちょっと裏道に入ると昼間でも荒んだ空気を感じます。
実際に暴力事件、ひったくり事件なども発生していますので、夕方以降に立ち寄らないことはもちろんですが、昼間でも気を抜かずに人通りの少ない道は避けるなどの注意が必要です。
ダウンタウン/チャイナタウン
官庁街のダウンタウンとそれに隣接するチャイナタウンは、おしゃれなスポットとしてよく雑誌などでも紹介されていますが、特にチャイナタウンは昼間でもアヤシイ雰囲気を感じずには居られません。
あまり身なりの良くない人、クスリをやっているのでは?と思う人、ホームレスなどもよく見かけ、中には観光客である私たちの方をあからさまにに見ている人もいて怖さを感じました。
実際に発砲事件などの凶悪犯罪も起きているエリアで、ローカルの人でも日没後は近づかないという人がいるほどの要注意エリアです。
タンタラスの丘
タンタラスの丘(プウ・ウアラカア州立公園)はダイヤモンドヘッドやホノルル市内を一望できるオアフ島屈指の絶景スポットです。
夜景スポットとしても有名なタンタラスの丘ですが、実は治安が良くないエリアにあるため、特に夕方以降は駐車場で車上荒らしが頻発したり、観光客を狙った恐喝事件なども発生しています。
夜景見物に行く場合はレンタカーやザ・バスなどで個人的に行くのではなくオプショナルツアーの利用が無難です。
その他の要注意エリア
- カリヒ
ローカル御用達の安くて美味しいレストランがあることで有名ですが、ギャングやホームレスも多く凶悪な犯罪も多発しています。 - 西オアフ
オアフ島の西側エリア(特にコオリナより西側)はオアフ島の中でも特に治安の良くないエリアと言われており車上荒らしなども頻発しています。 - ワイマナロ
最近、美しいローカルビーチとしてよく紹介されているワイマナロビーチですが、周辺は決して治安の良い場所ではありませんので注意が必要です。
ホームレスがハワイの大きな社会問題
オアフ島の郊外に行くとホームレスの人たちをよく見かけます。
最近ではワイキキでもたまに見かけるようになりました。
実はハワイには人口142万人に対し6,000人を超えるホームレスがいるそうです(2018年時点)。
多額の州予算を投じてシェルターの整備などの対策を行った結果、ピーク時よりは減少傾向にあるそうですが、それでも米国内でもっとも高い割合となっています。
ホームレスを増加させる原因としてハワイの高額な居住費や生活費があるのは間違いありませんが、中にはアメリカ本土から暖かいハワイに移住してくるホームレスも少なくないようです。
ホームレスの人から危害を加えられるようなことはあまりないようですが、物乞い(金銭の要求)をされたり、ブツブツ話しかけられた経験は私にもあります。
そんなときは静かにスルーするのが一番です。
犯罪に巻き込まれないようにするためには?
旅行先のハワイで犯罪に巻き込まれないようにするには、個人個人で注意することがとても大切です。
たとえば次のような行動は、日本ではあまり問題にならなくてもハワイでは赤文字のような危険性があります。
- 人通りの多い場所で、お財布をガバッと大きく開けてお札を探している
→犯罪者に現金をたくさん持っていることを知られる - 夜中や早朝でも女性だけで歩いている
→女性をターゲットにした性犯罪に巻き込まれる懸念がある - ガイドブックを大きく開いてキョロキョロしながら歩いている
→観光客であることが一目瞭然。犯罪者のターゲットにされやすい - フタの閉まらないバッグにお財布やスマホを入れている
→盗みやすいバッグは犯罪者に狙われやすい - お店やレストランなどで子どもをひとりで待たせている
→連れ去りの危険性。ハワイでは法律でも禁じられている行為です。 - 高級ブランド品(時計やバッグ)を身につけて、必要以上に派手で目立つ格好をして歩いている
→「お金持ち」と思われて犯罪者の標的にされる
いかがでしょうか。
決して特別な行動というわけではなく、日本人なら誰でもやってしまいそうなことばかりですよね。
でもこのように「日本ではOKでもハワイではNGなことがある」ということを知っておくだけでもハワイを訪れたときの意識がだいぶ変わるはずです。
ハワイ旅行時の注意点まとめ
さてこれまでご紹介してきた内容を踏まえて、ハワイでできるだけ安全に過ごすための注意点をまとめました。
- 多額の現金(米ドル)を持ち歩かない
現金は盗んでも足がつかないため、スリなどの格好のターゲットになります。
現金はその日に必要な分だけを持ち出すようにし、また人前でお財布を堂々と広げるのは控えましょう。
できるだけカード払いなどでキャッシュレスで過ごせるように工夫しましょう。 - 早朝・夜間はむやみに外出しない
早朝や夜間などの暗い時間帯は犯罪の発生率がアップするため、不必要に出歩くのは避けたいものです。
特にワイキキ以外のエリア(ローカルタウン)には、日没後は近づかないことをおすすめします。
また夜間に女性だけで外出するのはとても危険だということも覚えておきましょう。 - 持ち物に気を付ける
自分の持ち物に常に意識を向けるようにしましょう。
フタの閉まらないバッグや、中が見える透明のバッグなどはスリなどのターゲットになりやすいためおすすめできません。
男性がよく日本でやりがちな「後ろポケットに財布」は絶対にNGです。 - 現地になじむ服装を心掛ける
ハワイに限らず旅行先では「現地になじむ」カジュアルな服装を心掛け、現地の空気から浮かないようにすることが大切です。
やたらとブランド品を身につけて歩くことは「私はお金持ちです」と宣伝して歩いているに等しい行為ですので、犯罪者に目を付けられてしまいとても危険です。
暴漢に襲われて、医療費800万円!?
何年か前に日本人の方がハワイのローカルタウンで暴漢で襲われ、入院・治療の費用として800万円も請求されたという痛ましい事件が発生しました。
医療費が800万円なんて・・・!!
医療保険制度が充実している日本では考えられない金額ですが、実はハワイを含む米国は医療費がとんでもなく高いことで有名です。
米国では莫大な医療費の請求によって破産する家庭も多く、これが大きな社会問題になっています。
私たちもハワイ旅行中にビーチアクティビティなどでケガをしたり、慣れない土地で具合が悪くなって入院する可能性も否定できませんよね。
だからこそ絶対に必要なのが「海外旅行保険」への加入です。
海外旅行保険に入らずにハワイに行くことは、自動車保険に入らずにクルマを乗り回しているのと同じくらい無謀だと言えます。
海外旅行保険には1週間で数千円から1万円程度で入れますので、必ず加入して「もしも」に備えることをおすすめします。
でも・・・もしもこれが無料になるなら、かなり嬉しいですよね?
↓ ↓ ↓
海外旅行保険に無料で入れる方法
そんなハワイ旅行に必要不可欠な海外旅行保険ですが、実は無料で入れる方法があります。
それは海外旅行保険が付いてくるクレジットカードを持つことです。
中には年会費無料なのに持っているだけで海外旅行保険が付く、というサービスを提供しているすごいカードもあるんです。
せっかくなら「無料」で海外旅行保険を付けて、旅行にかかる費用をちょっと節約してみてはいかがでしょうか。
外務省 海外安全ホームページも参考にしよう
先ほども少しご紹介しましたが、外務省が国や地域ごとの情報を提供している「海外安全ホームページ」というWebサイトがあります。
ハワイにおける犯罪発生状況、防犯対策のほか、現地での緊急時の連絡先なども載っているので、一度目を通しておくことをおすすめします。
緊急時の連絡先なども掲載されていますので、万が一の際にはとても役に立つはずです。
楽園ハワイと言えども外国ですので、ぜひ自分の身は自分で守ることを心掛けて楽しいハワイ旅行を実現してください。