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飛行機に電池を持ち込んでも大丈夫?
乾電池は子どものおもちゃや血圧計・血糖値計など医療機器にも使用されているため、意外と旅行に持って行くことが多いですよね。
ただ電池と言えば、発熱や発火の危険性をニュースで耳にすることもあるため
「乾電池を飛行機に持ち込んでも大丈夫?」
「スーツケースに入れてもいい?」
と疑問に思ったことはないでしょうか。
さらに、
「ボタン電池やリチウムイオン電池の場合は大丈夫か?」
という懸念もあります。
そこで今回は乾電池、ボタン電池、リチウムイオン電池それぞれの機内持ち込みや預け入れの可否をご案内します。
最後に一覧表にまとめていますので、それぞれの説明を飛ばして結果だけ知りたい場合はこちらをご覧ください。
乾電池→○:飛行機に持ち込める
結論から言えば、乾電池の飛行機への持ち込みは、機内持ち込み・預け入れともOKとなっています。
国内線・国際線とも可能で、サイズ(単三、単一など)や個数の制限もありません。
またアルカリ乾電池、マンガン乾電池のほか、エネループやエボルタのような充電式のニッケル水素乾電池でもOKです。
ボタン電池→△:種類により注意
一般的にボタン電池と呼ばれているものには「アルカリボタン電池(SR/LR)」と「コイン形リチウム電池(CR)」があります。
まずは体温計や補聴器、子どもの玩具などによく使われているアルカリボタン電池(小さい方)は機内持ち込み・預け入れともOKです。
これに対しコイン型リチウム電池(大きい方)は、ちょっと注意が必要です。
コイン形リチウム電池の注意点
自動車のスマートキー(キーレスエントリー)や小型ゲーム機などによく使われているコイン形リチウム電池(CR2032やCR2025など)は、リチウムが使用されているため少し制限があります。
というのも多くの航空会社ではリチウムの含有量が2g以上の持ち込み・預け入れが禁止となっているからです。
ただ電池1個あたりのリチウム含有量はCR2032が約0.07g、CR2025が約0.05gとなっているため、1つ、2つならまったく問題ありません。
これを大量(CR2032なら29個以上、CR2025なら40個以上)に持ち込んで合計2gを超えるのは不可となりますが、一般的にはまずない状況なのでは?と思います。
電池単体は要注意
ただ1、2個でも、機器に内蔵された状態でなく電池単体で持ち込む場合には注意が必要となります。
- 電子機器に入っている状態:機内持ち込み○/預け入れ○
- 電子機器に入っていない状態(電池単体):機内持ち込み○/預け入れ×
そうなんです、電池単体の場合はたとえ1、2個でもスーツケースに入れて預けてしまうのはNGなんです。
言い換えれば、予備のコイン形リチウム電池を単体で持って行くなら機内持ち込みにしましょう!ということになります。
リチウムイオン電池→△:種類により注意
リチウムイオン電池(LIB)は、スマホやタブレット、ノートパソコン、デジカメなどのモバイル機器に多く使われている充電して繰り返し使うタイプの電池(二次電池)です。
機器の中に入っているのでなかなか目にすることはありませんが、一番多くの人が旅行に持って行く電池と言えます。
リチウムイオン電池は従来のニッケル水素電池と比べてかなり高性能(軽量・大容量・繰り返し充電できる)である反面、衝撃や温度変化に弱いという特徴をもつため、発熱や発火(あるいは爆発)につながるリスクがあります。
実際にリチウムイオン電池が原因とされる航空機内の発火や発煙事故がたびたび報告されています。
これにより2016年からリチウムイオン電池の持ち込みに関する新たなルールが施行されました。
ただ航空会社によってはさらに細かいルールが定められている場合がありますので、ご利用の航空会社のホームページなどでご確認ください。
電子機器本体の場合
リチウムイオン電池が内蔵された電子機器については、ワット時定格量 ※1が160Wh以下なら機内持ち込み・預け入れとも可能です。
※1 ワット時定格量=定格定量(Ah)× 定格電圧(V)
つまりスマホやノートパソコン、タブレットなどをスーツケースに入れて預けても一応OKではありますが、それ以前にスーツケースはかなり乱暴に扱われることが多いうえ盗難などの心配もあるため、機内持ち込みにすることを強くおすすめします。
※参考:スーツケースを投げる空港職員の動画(YouTube)
予備電池の場合
スマホ用のモバイルバッテリーや、カメラの予備バッテリーなどを「単体」で持っていく場合もありますが、持ち込みの可否はワット時定格量(Wh)により次のとおりとなっています。
- 100Wh以下:機内持ち込み○/預け入れ×
- 100Wh超~160Wh以下:機内持ち込み○ ※2/預け入れ×
- 160Wh超:機内持ち込み×/預け入れ×
※2 2個まで/リチウム含有量が2g超~8g以下のもの
つまり、モバイルバッテリーやカメラの予備バッテリーはスーツケースに入れての預け入れは全面不可となります。
なおスマホのモバイルバッテリーについては、さらに詳しい解説を次のページでしていますので旅行用に買ってしまう前にぜひご一読ください。
リチウムイオン“乾電池”も要注意
あまり一般的ではありませんが、カメラなどに使われるワット時定格量160Wh以下の「リチウムイオン乾電池」も、1人2個までは機内持ち込み可能ですが、預け入れはNGなのでご注意ください。
まとめ
電池の飛行機への持ち込みに関しては「リチウム」を含むものについてのみ規制があります。
2016年に国際民間航空機関(ICAO)により定められた基準は次のとおりとなっていますが、航空会社独自のさらに細かいルールについては各社のホームページなどでご確認ください。
電池の種類 | 持ち込み | 預け入れ | |
---|---|---|---|
乾電池 | マンガン乾電池 | ○ | ○ |
アルカリ乾電池 | ○ | ○ | |
ニッケル水素電池(充電式) | ○ | ○ | |
リチウム乾電池 ※3 ※4 | ○ | × | |
ボタン電池 | アルカリボタン電池 | ○ | ○ |
コイン形リチウム電池(機器内蔵) ※3 | ○ | ○ | |
コイン形リチウム電池(単体) ※3 | ○ | × | |
リチウムイオン電池 (モバイルバッテリー含む) |
リチウムイオン電池(機器内蔵) ※4 | ○ | ○ |
リチウムイオン電池(単体)160Wh以下 ※5 | ○ | × | |
リチウムイオン電池(単体)160Wh超 | × | × |
※3 リチウム含有量の合計が2gを超える場合は不可
※4 ワット時定格量160Wh以下の場合のみ
※5 100Wh~160Wh以下は2個まで/リチウム含有量が2g超~8g以下